12星座について

蟹座

「母性的」だの「家庭的」だの、
なにそれ
とおおもいの蟹座の皆様、お待たせいたしました。
蟹座、母性はさておき、家庭的ではありえない。
いや、本心では温かい家庭とかキライじゃなくても、
ハッキリ言って、家族組織の運営なんぞ、向いてない。
どうしてでしょう。
それは、蟹座が、感情の星座だからなのです。

蟹座のみなさんは、一見おとなしめです。
いや、獅子座や双子座にいくつか星がある場合はかならずしもそうでもないのですが、
おおらかにいって、うるさいオカンではない。
特に、衆目の中では、おとなしいです。
でも、家に帰ると、はっきりいって、うるさいオカンです。
つまり、内弁慶。
強く出られると解っていなければ、
普段は強く出ません。
ふだんは、と保留したのにはワケがあります。
ときどき爆発的行動力を発揮する星座として有名なのが
牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座
なのですが、
なかでももっとも爆発力が強いのが、
実は蟹座なのです。
なぜなら、そのエネルギーが、鉄砲水のような膨大な水だからなのです。
火の牡羊座は、けなして自信をなくさせればへこみます。
風の天秤座は、他人が理をとなえればおさまります。
地の山羊座は、目的を修正してあげればおとなしくなる。
でも、蟹座は違います。
だれがどんなに理路整然となだめおさめてもだめ。
いったん決壊したダムは、水が流れきるまで収拾がつかないのです。
蟹座が決心したこと、蟹座がこだわったこと、
これらは、蟹座の感情という荒れ狂う波の世界がおさまるまでは、
誰にも止められません。

蟹座は、だから、他の人に相談しないのです。
だれよりも人目を気にしていますが、
蟹座が内面に抱えた水の部分は、それだけで成立しているので、
ぜったいに人に触らせたくないと思っています。
よほどせっぱ詰まったときでなければ、人の意見なんか聞きません。
誰かに説得されるような自分ではないことを知っているからです。
自分、とは、蟹座の場合、
その豊かな感情そのもののことなのです。
蟹座がひとたび誰かを信用して、その水に手を触れさせるときは、
それはまさに特別なことと言えるでしょう。
誰かの心に触れることを好むくせに、
自分の内面には人を立ち入らせない。
なぜなら、蟹座は自分が非常に傷つきやすいことを知っているからです。
傷つきやすいがゆえに、自分を激しく守ります。
時に高い城壁を築き、
時にものすごい知識を蓄え、
地位を確立するために権謀述作を尽くし、
おどろくべきタフさで動き回るのです。
傷つけられそうになると、もう、逆ギレか、すみやかに立ち去ります。
たとえば、うるさい子供がいるとしましょう、
それに腹を立てた蟹座は、こう思います。
あいつらを殺すか、さもなくば自分を殺してくれ
と。

水がないでいるときは、蟹座は至極穏やかで優しく、
鏡のように他人の心に敏感に反応します。
わずかな風にも、すぐに振動します。
共鳴し、飛びはね、躍動します。
噴水や小川は、蟹座の象徴です。
キラキラ水を跳ね上がらせながら飛び散る水は、
蟹座の明るさや躍動感を思い出させます。
蟹座の感情は、新しい、明るい、淡水なのです。
どんなモノでも溶かしこみ、のみこんでみます。
そして、自分自身が根底から覆るような経験をするのです。
火や、風や、地は、他の物質とこんなには同化できません。
蟹座は、自分が、
ほかのものをすぐに体の中に溶かしてしまうことを知っているのです。
蟹座にとって、「傷つく」というのは、
不本意ななにかを自分の中にとかしこんでしまうことなのです。
それは、とても危険なことです。
だから、容易に内面に人を近づけたりしないのです。
とても怖がるのです。
逆に、溶かしこむことを是認できるものには、
際限もなく寛容です。
自分自身の一部になってしまうからです。
それは、身近な人であったり、家族であったり、
恋人であったり、さまざまです。
蟹座の全てが家族を愛するわけではありません。
むしろ、
蟹座はシビアに
「本当の身内かそうでないか」
を、家族の構成員についても峻別し、必要とあれば柵をつくるでしょう。
ひとたび味方と認めれば、その相手を飲み込みます。
もし、その人が味方でないなら、丁重に遇することはあっても、
ぜったいに本心を明かしたりしません。

蟹座が人の気持ちをとても気にするのは、
もうひとつには、自分の居場所を守るためです。
居場所がまもられないと、感情が安定しないのです。
安定しないと、苦しいのが蟹座です。
なぜなら、不安や苦しみも1つの感情だからです。
安定しない環境は、蟹座の敏感な感情に直接、不安感を巻き起こします。

では、一人でいればよい。
これがそうでもないのです。
時に、自分の中の流れをととのえるために、
蟹座は一人になりたがります。
でも、水の星座は、ほとんどつねに、
自分を誰かに与えることを望んでいます。
どんなかたちであれ、いのちに貢献してこその水。
これは、魚座も蠍座も同じことです。
なんらかのかたちで、生き物のダイナミズムにくみこまれていないと、
澱んでしまうのです。
育てるなにか。
さらに、常に形や居場所を変えていないと、澱んでしまいます。
恐がりで、水を凪いだ状態に保ちたがっているくせに、
凪がしばらくつづくと、
自分の中に溜まった汚泥を取り去るべく、
流れ出す方向を探しはじめる水。
これは、しまつがわるいです。
でも、流れていった先では、だれかにいのちを分け与えます。
蟹座の人がそこにいるだけで、傷が癒え、乾きがおさまるのです。
ゴタゴタを、川の氾濫のようなかたちで洗い流そうとする蟹座もいます。
時に、あふれすぎた水で誰かを窒息させそうになることもあります。
他の物質がそうであるように、水もまた、
いきものと密接に関わりつつ、
それらを生かしも殺しもするのですね。

完全にきれいな水
というのは、特別な水だそうです。
普通、どんな水でも、なにかの混合物です。
なにかしら、H2O以外の物質が溶けています。
でも、そういう混合物を意図的に徹底的に排除した水というのが存在するらしい。
工業などでつかうそうなのですが、
この水はとても「凶暴」だそうです。
どんなものでも溶かしてしまうのだそうです。
本来なら溶けるはずのないモノまで。
完全に純粋な水は、
生き物のいのちをうばいます。
人に与えられる水は、なんらかの良い混合物にまもられているんですね。
蟹座は、怖れながらも、とどまらずにあちこち動いてゆき、
しかるべきものをしかるべきかたちで自分の中に取り込みます。
そして、それを、ほかのいきものに与えながら生きているのかもしれません。
なにかをとりこみ、何かを与え、さらにまた、なにかをとりこむ。
そうして流れていくのです。

蟹座の愛情は、とても激烈です。
水のようにどんどん相手にしみ込むと同時に、
自分の中にもどんどん相手を飲み込みます。
そこでおぼれないためには、よほどの度量が必要、って時もあるかもしれません。
蟹座の荒波に流されず、蟹座の内面を汚さず、
愛されることも結構難しいなあ、と感じたりして。
花も、水が多すぎるとすぐにダメになります。
少なすぎてもダメです。
切り花の水は、ちょくちょくかえてあげないと、すぐに悪くなります。
蟹座の気持ちを引きとめるには、
まずは、その気持ちを言葉や涙で十分に吐き出させてあげて、
新しい感情をわき上がらせてあげることが大切です。
それを蟹座に可能にさせるのは、
安心できるあたたかい環境、変わらないあたたかい人の胸です。

いつでも感情的に相手に当たっちゃったり、
感情にまかせてなんども「別れる!」っていいまくるけど気持ちがおさまると元の鞘に戻りまくったり、
責任取ります!と逃げることをごっちゃにしたり、
そういうわけのわかんない奔流、いつも蟹座やその周囲の人々をふりまわします。
また、水の星座だけあって、易きに流れやすいところもある蟹座。
怠けるとどんどんそっちにおちこんでしまったりもするのです。
そんな感情の荒波をコントロールすることは容易ではないかもしれません。
でも、蟹座には、そのことが必要です。
ひとたび荒れ狂った水のチカラは、
とおりいっぺんの「癒し」なんかではおさまりません。
蟹座は、もしかしたら、癒されたくなんかないんだろうともおもいます。
蟹座の感情は自分自身です。
これをうしなった能面のような人生など、思いも及ばないとおもいます。
ならばこの苦しみ痛みに巻き込まれたとき、どうすべきか。
蟹座であれば、これは逆説的ですが、
感情はコントロールされなければならないのです。
感情が揺れ動くことを認識し、そこにあることを肯定し、
その上で、行動とすこし切り離したところにおいておく訓練をする。
完全に感情を隠蔽したり、単純になだめたりおさめたりなんて、できません。
ですから、できるだけ自分のチカラでそれにおぼれないよう、
船とか泳法とかを整備しておくのです。
感情を切り捨てることはありません。
心にゆたかにそれを感じたままで、
飲み込まれずに生きていくパワーが、蟹座の身上です。

☆☆tips

蟹座の鍵となるフレーズは、「Ifeel」です。
蟹座に太陽や月などの重要な☆を持っていたり、
あるいは、ほかの☆がたくさん集まったりしているひとは、
胸や、体全体のラインがまるみをおび、やさしい印象をあたえることでしょう。
雰囲気はあたたかく受容的で、あるいは静かで、
相手の気持ちを壊れやすいタマゴのように守ってあげようという気遣いに満ちています。
蟹座の支配☆は、月です。
月が好調な配置になっているときは、
蟹座の人の心は、穏やかな明るさや弾むような期待感に満ち、生活する風景が輝いて見えるでしょう。

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