
石井ゆかりが2020年の双子座の運勢を読み解きます。1年間のテーマや時期についてなどたっぷりの内容でお届け。2020年のお守りとして、ぜひ参考にしてください。
2020.1.1


飢え疲れた老人に
自ら火の中に飛び込んで
肉を与えようとしたウサギの伝説があります。
能の「鉢木」では、
主人公の零落した武士が、
泊めた旅の僧に暖をとってもらうため、
大切にしている盆栽を火にくべます。
自分のいのちや、大切な宝を、
見知らぬ他者のために犠牲にする、
という物語は、
私たちの心を強く打ちます。
ウサギのケースでは、
老人は実は帝釈天であり、
ウサギはそのまま月に上げられて、
信仰の対象となりました。
「鉢木」では、
実は老僧は時の権力者・北条時頼であり、
主人公は後に素晴らしい報償を手にすることになります。
帝釈天や北条時頼には、
自分のために大きな犠牲を払った彼らに、
ちゃんと「おかえし」ができます。
ですがもし、
「世を忍ぶ仮の姿」ではなく、
彼らが本当に「見たまま」の存在だったなら
そんな「お返し」はできません。
特にウサギの話では、
もし、もてなされたのが帝釈天ではなかった場合、
どうなったでしょうか。
ウサギは焚き火に飛び込んで、
命を失っています。
自分のために死んでくれたウサギを憐れんでも、
それを「食べない」という選択は、
ウサギの気持ちを無駄にすることになります。
でも、こんな優しいウサギを、
何も思わずに「肉」として食べることが出来るでしょうか。
非常に難しい問題です。
帝釈天ではない、
一介の旅の老人であったなら、
おそらく、涙を流し、
手を合わせながらウサギを食べたでしょう。
自分を思ってくれたウサギの気持ちを
自分のいのちの中に引き受けるような思いで、
老人はウサギを食べて、
ウサギと同じように、
これからは優しい生き方をしよう、と、
痛いほど心に誓っただろうと思うのです。
2020年、
あなたはどこかで、
ウサギのような存在に出会うかもしれません。
もとい、こんな悲しい形ではありませんが、
誰かの「心づくし」にふれ、
受け取るのが畏れ多いようなものを
差し出される場面があるのではないかと思うのです。
お金や、社会的立場や、高価なものや、
そのままにしておくと失われてしまうけれど、
保存していくことに意味のあるもの。
歴史あるもの、
役割や任務、名誉や勲章、
技術や知識、
誰かの手作りのものや、
誰かの人生の一部や、
ずっと受け継がれてきたものや、その他、
あらゆる「価値あるもの」を、
なにかしら、
2020年のあなたは、
受け取ることになるのです。
それを「受け取らない」という選択は、
ウサギと老人の物語のように、
できないことだろうと思います。
あるいは、
あなた自身が
「ウサギを月に上げる」
ような力を持っていたなら、
それも選択肢の一つとなるかもしれません。
たとえば、
「もらったものを自分一人のためでなく、
みんなのために使う」
「一気に使ってしまわず、
それを元にもっと大きなものを生み出せないか、
その方法を探る」
などのことがそれに当たります。
人間はこの世の中で、
いのちをリレーして生きています。
人から人へ、
モノや立場や、精神や、
一つの世界などが、
どんどん受け継がれていきます。
その中では
「とても受け止めきれない」
と思えるような大仕事もあれば、
「どうやって守っていっていいかわからない」
と思えるような高価なお宝なども
自分の元に回ってきてしまうことがあります。
引き受けるか、引き受けないかは
勿論、自分で選ぶことができますが、
単なるお金やポジションに留まらない、
たとえば「ウサギの思い」のようなものは、
「引き受けない」
という選択肢が、存在しません。
これはギブアンドテイクの経済活動ではなく、
数字の世界からかけ離れた、
聖なるコミュニケーションだからです。
人から人へ、
いのちや歴史をつないでいくような、
特別なコミュニケーションが、
2020年のあなたの世界では、
何度か起こるはずです。
「人の思い」を受け取ったとき、
あなたの中には新しい誓いや願いが生まれます。
その誓いと願いが、
2021年以降のあなたの人生を、
力強く、導いていきます。
時期的なことを少し申しますと、
まず1月から2月前半は、
人間関係が大きく動きそうです。
2019年の中で創ってきた土台の上で、
さらにたくさんの関わりが重ねられていく!
という感じがあります。
あるいは、2019年に創ったリングの上で、
この1月から2月半ばにかけて、
思いきり試合ができる、
といったイメージの展開になるのかもしれません。
また、1月半ばから2月頭は、
素晴らしいチャンスに恵まれるタイミングでもあります。
誰かがそのチャンスを持ってきてくれるのかもしれませんし、
上記の「勝負」の戦利品が、
一つのチャンスなのかもしれませんし、
あるいは、誰かとタッグを組んで初めて
大きなチャンスを掴めるようになる、
ということなのかもしれません。
2月は仲間に恵まれるときで、
経済関係もガツンと動きます。
経済的な役割分担が変化したり、
あなたの活動に必要な資金を
誰かが準備してくれたり、
といったことも起こるのかもしれません。
3月は「密かに嬉しいこと」が起こりやすい時です。
また、懐かしい人との再会の気配もあります。
3月末から一気に風向きが変わります。
楽しくなってきますし、
動きやすくなりますし、
多くの人が遠く冒険旅行に出かけることになるでしょう。
この冒険旅行は、ここだけのものでなく、
2021年以降の大旅行の
「下見・ロケハン・予行演習」
というような意味を持っているようです。
4月から8月頭にかけては、
素晴らしい愛と楽しみの季節となっています。
この間、キャラクターが変化したり、
ファッションやヘアスタイルなど、
見た目ががらっと変わったりする人も少なくないでしょう。
あなたという存在にスポットライトが当たり、
多くの人に注目されそうです。
あなたの笑顔を必要としている人がいる、
ということも、意識にのぼるでしょう。
上の期間の中でも、
5月から6月は非常に忙しい時期となりそうです。
仕事や対外的な活動の場で、
ガンガン勝負して、多くを得られます。
また、この時期はいろいろな事を
「試す」こともできそうです。
温めてきたプランを
「試しにちょっとやってみようか」
ということが、
比較的容易に出来るときです。
7月末から年明けに跨がって、
「仲間」との関わりに熱がこもります。
情熱的なメンバーばかりがそろって、
一つのチームとして動くことになるのかもしれません。
あるいは、自分が身を置く「場」を、
外の世界に求める人もいるでしょう。
所属している組織から一時的に脱出して、
異業種交流を図れるようなタイミングでもあります。
さらに、そうした新しい交流の中で
追いかけるべき夢に出会う人もいそうです。
8月は経済的にとても嬉しいことがありそうです。
収入が増えたり、
イイ買い物が出来たりするでしょう。
9月はコミュニケーションが大いに盛り上がります。
勉強にも力がこもる時期です。
10月は身近な人との時間が、
とても温かなものになるでしょう。
10月末から11月は、
やりたいことにガンガン打ち込めます。
11月下旬から年末にかけては、
様々な出会いに恵まれそうです。
人と会う機会が増えますし、
有望な情報も集まってきます。
12月、遠い世界への扉が、
バーンと音を立てて開きそうです。
どの星座にとってもドラマティックな節目なのですが
双子座の人々にとっては特に、
「遠い世界への扉」
「高い場所への扉」
が開くタイミングです。
2021年以降の大移動の計画がここで、
「起動」するのかもしれません。
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愛情関係については、
文句なしの、素晴らしい「愛の年」です。
2019年も「パートナーシップの年」だったのですが、
2020年はズバリ「愛の年」なのです。
愛の星・金星は、
普段は一ヶ月くらいで一つの星座を駆け抜けるのですが、
2020年は4月から8月頭まで
あなたの星座に長期滞在するのです。
言わば「愛の女神・ヴィーナスとともにある年」なのです。
さらに、「縁」を司るとされる、
ドラゴンヘッドというポイントも
あなたの星座に入ってきます。
このドラゴンヘッド、
双子座ではとりわけ「調子がいい」とされています。
何か素敵な「縁」を感じるような出来事が、
2020年5月以降、
盛りだくさんになっていくはずです。
更に言えば、
非常に官能的な年でもあります。
特に、過去2年ほど、
少し抑制的だったという自覚のある人は、
2020年は徐々にその抑制を
「解除」できる年となるはずです。
カップルは愛が盛り上がるでしょうし、
フリーの人は、
ちょっと神秘的な出会いに恵まれそうです。
愛の悩みを生きてきた人は、
その悩みとしっかり向き合って、
新しい答えを出せるかもしれません。
特に愛の追い風が吹くのは、
前述の通り4月から8月頭です。
さらに9月から11月半ば、12月にも、
愛のドラマが前向きに展開するでしょう。
愛を探している人は、
交友関係を拡げることが
一番の近道です。
2020年は、双子座の人々にとって、
非常にクリエイティブな年でもあります。
「クリエイティブ」とはどういうイメージかというと、
今年に限っては例えば、
「特にそれをする必要もないけれど、
敢えてそれをやってみたとき、
人生や世界が変化する」
ような活動です。
たとえば、
芸術作品を創るとか、
歌をうたうとか、
遊ぶとか、
無償の好意で人をサポートするとか、
恋をするとか、
困っている人に優しくするとか、
そういったことです。
これらは、
やらなくても特に、
自分が生きていく分には、
困りません。
「生きていくために
どうしてもしないといけないこと」
では、ないのです。
でも、そういうことを通して、
人生は大きく変わっていきます。
出会いが生まれ、
夢が生まれ、
生活に光が射し込みます。
こうした「クリエイティブなこと」に向かってゆく時、
2020年は、未来への扉がどんどん開いていきます。
さらに、
2020年の「学び」もまた、
刺激的です。
幼い頃の学びは
「ルールを学んで、ゲームをする」
という学びですが、
成熟してからの学びは、
「ゲームを創るために、
ゲームの外側の世界を知る」
ことが学びです。
たとえば、
現代に人気のゲームや小説、
アニメ作品などには、
古代の神話や伝説の言葉があふれかえっています。
「神話まみれ」のような作品になるのは、
ゲームの作り手がそうした世界を愛し、
深く学んでいるからです。
2020年、双子座の世界の「学び」の扉は、
そうした「外界」に向かって設置されています。
これもまた
「クリエイティブな活動」の一つです。
もともと、旅や学びの好きな双子座の人々ですが
2020年は、
今まで目を向けたこともないような新しい世界に向かって、
扉を開いていくことになるのではないかと思います。
その扉のうちの一つは、前述の通り、
年末に突然現れるかもしれません。

