魚座の今年の占い

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「クリエイティブな活動」は、
「正解」のない世界で、自分なりの答えを出し、
その答えによって外の世界になにかをつくり出し、
あるいは実現する活動です。
これは一見、自分一人の世界だけで完結しそうに思われます。
実際、人に見せずに自分のプライベートな世界だけで、
クリエイティブな活動を楽しんでいる人もいます。
でも、ある見方をすれば、これは必ずしも、
創造的活動がちゃんと「完結した」とは
言えないところもあるように思います。

たとえば、ある人が1枚の絵を描いたとします。
この絵を多くの人が馬鹿にしましたが、たった一人だけ、
「この絵は、自分の貯めに書かれたものだ」
と感じました。
このとき、この絵の「創造性」は、
一つの完結を見たと言える気がするのです。
一方、誰もその絵を気に入ることがなかったなら、
その創造性は、作り手たった一人の心の中にしか顕現しません。
それでよし、とすることもできますが、
何となく物足りないものが残ります。

これは「他人の機嫌をとれ」という意味ではありません。
創造性はあくまで、
自分の内なる要請から生まれるものだと思います。
でも、そうした、人のご機嫌取りではない、
ひたすらな「内なる要請」が、
全くの他人の心に強く響き、
時には「この絵は私のために描かれたのだ」とさえ思えることがあるのは、
いかにも神秘的なことです。
このことは決して珍しいことではありません。
マーケティングに寄らず、誰の作為にも寄らないものに、
突然大勢の人が夢中になることがあります。
大人気を博しているアーティストがいて、
そのファンは皆
「あのアーティストの本当の良さは、
自分だけにしか解らないのだ」
と信じていることさえあります。

2013年後半から2014年前半にかけて、
魚座の人々は愛と創造の世界を生きています。
この「愛と創造」は決して、
あなたの心の中だけにとどまり、
あなただけを充足させるようなものではありません。
この時期の「愛と創造」は、
前述のような「受取手」が確かに存在する、
真にクリエイティブな活動だろうと思います。
あなたの愛や創造性はこの時期、
他者や外界としっかり、
魔法のような結びつきで結ばれています。

自分が不意に恋した相手が、
自分のことを同じように好きになってくれるなどというのは、
ほとんど奇跡のような事柄です。
でも、前述の
「一枚の絵画と、それを自分のためのものだと思った人」
の関係のように、
お互いに恋しあう奇跡は、たくさん実現しています。
「奇跡」だなんて大袈裟すぎると思われるかもしれませんが、
考えれば考えるほど、
創造性や愛が、他者によって「受けとられる」ことは、
実に不思議な出来事です。
この不思議な世界を、
2014年前半の魚座の人々は、
身をもって体験することになるはずです。
2014年前半、魚座の世界は官能的で、情熱的で、本源的で、
社交的な車間距離はほとんど守られないでしょう。

年の後半、魚座の人は新しい役割を得る為のプロセスに入ります。
年の前半までが「自分のために生きる」時期であるとするなら、
年の後半は「誰かのために生きる」時期となっています。
このプロセスが、前半までの「愛」と結びついている可能性も高いと思います。
即ち、人は誰かを愛すると、相手のために何ができるかを考えます。
そこに、新しい役割が生まれる可能性もあるというわけです。

2012年頃から、魚座の人はごく専門的なこと、
あるいは非常に高度なこと、精神的な高さを目指すようなことを、
学び続けて来たのではないかと思います。
人間的に鍛えられ、キャパシティを拡げ、
今までよりも多くのことを深く理解する力を得てきたはずです。
でも、これらの体験にはどこか、
「現世」とは離れたところがあったかもしれません。
上へ上へと目指し、山の頂点に達したとき、
その裾野に広がる町の美しさを見て、
はっとする人も多いと思うのです。

2014年後半から2015年前半にかけて、
魚座の人はこんな物語を歩むことになるかもしれません。
すなわち。

仙人になることをめざして高い山に登ったひとが、
修行を積んでめでたく仙人になりました。
仙人としての力を得たところで、
この人はこの力を何に使うべきか、とくと考えました。
山の上から、人々が住む街や村を眺めながら、仙人は
「この超人的な力を、あの人々のために使おう」
と思い決め、やおら山を下りて、
市井に交わって生きたのでした。

2012年頃からあなたが積み重ねて来た知識や経験を、
これから「誰のために使うか」が、
2014年後半からのテーマとなっています。
仙人のように「超人的な力」とまではいかないかもしれませんが、
ここまでにあなたが培った力を、必要としている人々がいることに、
この時期、気づかされると思います。
人を助けたり、サポートしたり、導いたり、
あるいはその他様々なニーズに応えるために、
あなたはこれまでいた場所から少し低い場所に、
下りていくことになるのかもしれません。
心から充実できる新しい役割が、
そこであなたを待っているようです。