今年の占い

2024年

「井の中の蛙、大海を知らず」。狭い井戸の中で生まれた小さなカエルが、井戸を出て大海に向かったら、一体どうなるでしょうか。

どんなにしても大海の全てを知り尽くすことなどできません。井戸の中のことなら「全てをわかる」ことができたのに、大きな海を前にしては、もうその「全てをわかる」ことは不可能です。すでに大海の何事かを知っている他の生き物たちの、素晴らしい知識に圧倒されます。

知り尽くせないものたちの中にあって、何も知らないということを思い知らされ、絶望してしまうかもしれません。

なんて何もかもが遠いのでしょうか。近づいてくるものたちの「遠さ」に触れるほどに、世界が広過ぎることに打ちのめされます。

遠くから来た人の話を聞くほどに、自分の半径5mの世界の小ささに絶望させられるのです。人間はこの世に自分の居場所をつくりますが、世界の広さに晒されると、その居場所の頼りなさ、心許なさにゾッとさせられます。

絶対的に守られている人など誰もいないのです。本当はただ、そのリスク、その確率が見えていない、聞こえていないだけなのです。

「見ざる言わざる聞かざる」の「三猿」を、誰も責められません。「三猿」になってその環境に慣れることで、人間は正常性バイアスを生きることができています。それは当たり前の心の防衛で、誰もがやっていることです。それをしなければ人間は、恐怖と不安に押しつぶされてしまいます。実際、大きな危機を経験した人たちの中には、なかなかもとの「三猿」に戻れず、PTSDのような、長い苦しみに苛まれる人がいるのです。

それなのになぜ、人間は「外に出よう」とするのでしょうか。危険だよとみんなが言うのに、ケガをするよと警告されるのに、どうせ失敗するよと笑われるのに、お前には無理と決めつけられるのに、自分でもそんなことはわかっているのに、それでも、人間は井戸を出て、大海に出てみようとしてしまうのです。

2023年頃から井戸を出てきたカエルのような気持ちのあなたがいるのではないかと思います。あるいはもっと前から、そんな気持ちなのかもしれません。

外界に晒されて胸が痛み、その痛みを抱えたままがむしゃらに突き進んできている人もいるでしょう。

井戸を出た小さなカエルの冒険は、2024年、佳境に入ります。そして、友達に出会えます。その友達もまた、どこか遠くの、別の井戸から出てきたカエルです。

さらに2024年は、そのカエルと一緒に、ちょっとした避難所を見つけられるかもしれません。もぐりこめる安全な洞窟で、久々に安心できる時間を持てるかもしれません。そして、絶望的なほどに広い大海に、改めて挑む勇気を養えます。

少し先にくる素晴らしく華やかな大冒険のために、あたたかで愉快な仲間と、優しい洞窟で、たくさんの力を蓄えられるのが、蟹座の2024年です。


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