星の相談室

2019年1月25日回答

家族や友達以外の、その他大勢の人と関係を築いていくことができません。
会社では上司とは信頼関係を築けても、同僚などその他の人たちとの距離の取り方が難しくいつも諦めてしまいます。
たとえば、新しく習い事をしても仲間と打ち解けることができません。
仕事の後の飲み会、同僚と一緒の休憩時間や習い事の後のお茶といったことにとても憧れますが、実際は苦手で苦痛な時間になります。
一人で過ごすのが気楽で当たり前になりましたが、時間が止まっているみたいでこれも苦しいです。
克服してたくさんの人と気軽に過ごせるようになりたいです。
私はどのようにしたらできるのでしょうか?

はるさん、こんにちは。
私は、はるさんのご質問に偉そうにアドバイスする資格がないような気がします。
というのも、私自身、友だちが極端に少なく、お一人様で行動するのが大好きな人間だからです!
たくさんの人が集まる場で自然に振る舞う、ということが、どうにも、苦手です。
なので、はるさんのお気持ちは、想像できる気がします。

でも、はるさんと私の違いは、一人で過ごすことについて
「時間が止まっているみたいで苦しい」
「飲み会やお茶会に憧れる」
と書かれていることです。
私は、そういうものへの憧れというのが、ほとんどないのです。
はるさんには、それがあるわけです。そこが私とはるさんの、大きな違いです。

はるさんのホロスコープを見ますと、とても納得がゆく気がしました。
はるさんは一般的な星占いで言えば山羊座の方ですが、
風の星座に6つも星を持っている方なのです。
双子座の月、天秤座のグレート・コンジャンクション、水瓶座の水星と火星。
はるさんは、人と話し合いたい、分かり合いたい、コミュニケートしたい、
という、熱い熱い願いを抱いて生まれた方です。
人と関わりたい、交わりたい、という願いを抱いていらっしゃることが、
この形から、一目瞭然なのです。

はるさんは本当は、素晴らしいコミュニケーターです。
たぶん、ご自身で思うより遙かに会話が上手です。
でも、自分で自分にものすごくダメ出ししてしまうところがおありだろうと思います。
はるさんと話をした相手は、「面白い人だなあ、もっと話したいな」と思っているはずです。
でも、はるさんご自身は、相手と話した時間の事を思い起こして、
「あんなことを言うんじゃなかった」
「もっとこういう風にすればよかった」など、
自分で自分に厳しすぎる採点をして、萎縮してしまっているのではないでしょうか。

はるさんの中には、素晴らしいコミュニケーターの理想像のようなものがあって、
自分の現状がそれに追いついていない、ということに、
激しい不安を感じてしまっているのではないかな、と想像しました。
山羊座的な完璧主義も、その傾向に拍車をかけているのではないかと思いました。
あるいは、「話すべきこと」は語れても、本心を打ち明けることが難しい、と思えるのかもしれません。
はるさんご自身も書かれているとおり、
人とコミュニケーションがとれないのではなく、
「うちとけることができない」のです。
つまり、コミュニケーションが上手すぎて、
その内側にある「気持ち」をうまく出すことができない、
ということなのだろうなと思います。
「あるべきかたち」がわかりすぎてしまって、
それ以外のものを出せない、という状態なのかな、と想像しました。

もしそうであれば、
どうしたらその状況から脱出できるのか、私にもよくわかりません。
たとえば、絵が上手すぎるほど上手な人に、
「もう少し下手に描きなよ」と言っても、難しいでしょう。
下手な人が練習して上手になることはできても、
上手な人がムリして下手になる、というのは、むずかしいんだろうなと思います。

ただ、ひとつだけ、方法があるかもしれない、と思います。
それは、はるさんの、ユーモラスなところです。
多分、はるさんはとても面白い所があるハズです。
ユーモアのセンスに恵まれているだろうと思います。
なので、「ボケる」ことを覚えてみてはどうでしょうか。
はるさんはこれまで、どちらかと言えばツッコミ的な感覚が強かったかもしれませんし、
特に自分自身にツッコんでしまう事が多かったのではないかと思います。
であれば、ボケるということは、はるさんの対人関係を変えてくれるでしょう。
というのも、ボケることは、人に委ねることであり、
ある程度以上に自分の弱みを見せることだからです。
弱みを見せるということは、すなわち、
「うちとける」ことに通じます。
うちとけられない、防御的な社交性の壁を越えて、
自分の内なるものを少しだけ出すことが、ボケることだからです。

はるさんの双子座の月は、空のとても高い所にあります。
人と話したい、というプリミティブな願いが、
天高く輝く瞬間に、はるさんは生まれました。
その願いは、ここから先、ちゃんとかなってゆくと思います。
自分の中の弱さに出会い、かっこ悪さに出会い、
それを少しずつ表現してゆければ、
たくさんの人の中で自然に笑えるようになるのではないかと思います。

あるミュージシャンの方で、
「誰の前でも一切緊張しない」という人がいました。
なぜ緊張せずにいられるのか、と聞かれて、この人は
「自分で自分に一切、期待していないからじゃないでしょうか」
と答えました。
自分に期待しない、ということは、
なかなか難しいことのような気がするのです。
誰でも、人に好かれたいし、良く思われたいし、
優れている自分を見せたいと考えます。
でも、そうした「自分自身への期待」こそが、
他者の前での不自然な緊張として現れる、ということは
なんだか、とても納得できる気がしました。
自分自身への期待を捨てたとき、
目の前にいる「その人」の姿がもっと見えてくるのかもしれません。
そして、目の前の「その人」がより深く見えてきたとき、
相手もまた、自分を見直してくれる、ということがあるのではないかと思います。

以上、ご参考になれば幸いです!
石井ゆかり