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多くの人の自伝や伝記に
「カルチャーショック」が
人生の転機となった
と書かれます。
初めて海外旅行に行ったり、
未経験の世界に飛び込んだり、
他人の家にしばらく住み込んだりするだけでも
「こんな世界がこの世にあったのか!」
というショックを受け、
さらに、それまでの価値観を捨てて
まったく新しい価値観に生きることを選んだ結果
人生の大きな曲がり角を曲がることになった、
というわけです。
「転向」「回心」などという言葉もありますが
私たちの心の中に起こった変化が
人生自体を変えてしまう
ということは、深い説得力を持っています。
たとえば、明治時代のある志士が
「アメリカでは国のトップは世襲制ではない」
と聞かされて衝撃を受けた
というようなエピソードを読んだことがあります。
日本の家制度のもとの「御恩と奉公」の価値観を信じていた人にとって
何よりも高く見上げていた価値が意味を成さない世界がある
という事実は、にわかには受け入れがたかったはずです。
カルチャーショックに打たれた人は少なからず
自分の過去を恥ずかしく思ったり
今まで信じていたことをどうにか正当化できないか、と
思考の迷路にはまり込んだりすることもあります。
あるいは、カルチャーショックのあとであっても
また再び、ちいさなキッカケで
過去の価値観の世界に戻っていくこともあります。
価値があると思っていたものに価値がなくなり
無価値だと思っていたものに価値を認めることは
非常に怖い、苦しいことなのです。
たとえば、長い長い間、差別との戦いが続けられながら、
なかなかそれが無くならないのも
そこに、理由があるのだろうと思います。
差別意識と価値観は、
優劣の感情やプライドのような心情と一緒に
心の奥深いところで繋がっています。
自分だけが「カルチャーショック」を得て、
価値観がガラリと変わったとしても
周囲は依然として古い価値観のなかにいたとしたら
これも新たな困難と言えます。
今まで一緒に盛り上がれた話がつまらなくなったり
いちいち相手の間違いをツッコミたくなったりします。
自分が情熱的に語っている話はバカにされたり、無視されたりして
仲間はずれになってしまうことだってあるでしょう。
私たちは社会的生き物である以上
「仲間はずれ」を非常に苦痛に感じます。
仲間はずれにされないためだけに
自分の価値観や考え方を「封印」し
敢えて周囲の価値観に合わせて生きる、という選択は
決して珍しくありません。
2017年の天秤座の人々は
そうしたハードルをかるがると越えつつ、
かけがえのない人生の大きな転機を、
カルチャーショックを受け入れて進んでいくことになります。
自分が変わり、価値観が変わり、
話す内容も考える事も、
関わる相手も変わっていくかもしれません。
そうした変化は非常に不安に感じられるでしょうし
「本当にこれでいいのだろうか?」
と、随所で立ち止まりたくなるかもしれません。
でも、心の底で、あなたは
「この道が正しい」
ということを悟っています。
歩いたことのない道でも
見たことのない景色でも
「自分が今まさに居るべき場所がここだ」
ということが
直観的に、常にわかっているはずなのです。
2017年、木星という星が天秤座に巡ってきています。
2016年秋にあなたの星座に入って、
2017年10月上旬まで滞在しています。
この星は「成長と拡大の星」であり、
古くから吉星として知られています。
この星が巡ってくる時間は、
その星座の人々にとって、言わば
「過去12年ほどの物語が収束し、
新しい12年の物語が始まる」
ような結節点です。
更に言えば、あなたという可能性の畑を大いに耕して、
ここから12年ほどをかけて育てていける
「幸福の種」を蒔く時期なのです。
ゆえに私は木星の時間を
「耕耘期」と呼び習わしています。
この2017年の「耕耘期」には、
ちょっとした特徴があります。
というのも、
2015年くらいからあなたが時間をかけて学んできたことがそのまま
あなたを変える原動力になっているのです。
あるいは、2015年からだれかとずっと
時間をかけて相談してきたこと、語り合ってきたこと、
一緒に考えてきたことがあるかもしれません。
そのことがここへきて一気に、
あなたの人生を変えるような「カルチャーショック」
として羽化するのかもしれません。
「カルチャーショック」というと、
一瞬で考え方が変わってしまうような
電撃的な現象をイメージしたくなりますが、
もしかすると、この時期天秤座の人に起こる「カルチャーショック」は、
すでに2015年から着々と積み上げられた、
グラデーション的な変化の到達点として体験されるのかもしれません。
人生の転機、ターニングポイント
というと、
自分には関与できない「運命」のようなものが向こうからやってくる
と想定してしまいがちですが、
少なくともこの時期の「転機」は
あなた自身の努力や思考、勉強などと直結しています。
あなたが考えれば考えただけ、
出かけたなら出かけただけ、
人と話をしたなら、話をしたぶんだけ、
ターニングポイントの中味が変わってゆくのです。